時は必ず過ぎていく。
夜が明けて、朝が過ぎ、陽は満ちて、そして黄昏る。
誰が定めたのかも判らないこの仕組みは絶対で、何人もそれに抗うことは出来ない。
それでも私は抗い続ける。
無限に等しい時間を得るために、有限の時間を必死に創り出しながら。
それでも私は撒き続ける。
無限の可能性を得るために、生命の種を育みながら――
巡る星々、沈みゆく月、昇る太陽。
朝を告げる鐘が鳴り響き、人々の声が街を包み始める。
そんな喧騒の中、私は目を覚まし、歩き出す。
幾度と無く繰り返される当たり前の日常へと向かって。
目覚めた現実は街を彩り、また同じ一日が始まる。
――願わくば、この穏やかな日々が、いつまでも続きますように。
歯車は、少しぎこちなく、けれど順調に馴染んでいく。
新しい生活は新鮮で、驚きと発見に溢れている。
失ってしまった空白が蘇るように埋まっていく。
私は、そんな幸せな時間を望み続けている。
けれど、万物は流転する。
悠久に思えるこの時間も、少しずつ移り変わっていく。
――この世界が、此処に存在する限り。
【第二話ログ】
【第二話途中キャラクターチャット:ジーク、キルシー】
【キャラクターチャット:クリス、キルシー】
【キャラクターチャット:ジーク、フロレンツィア】
【キャラクターチャット:キルシー】
【NPCトーク:オルハ、イクスラーゼ】
大地は、静かに佇み、万物を迎える。
水は、緩やかに流れ、万物を育む。
花は、大地に根付き、水を糧に生長する。
けれど、大地に生まれ落ちるのは、花だけではない。
育った花は、毒を生み、毒は大地に染み渡り、水を侵していく。
やがて毒は世界に溶け込み、花は毒を生み出した事を忘却する。
だが、決して忘れてはいけない。
――それはいつでも傍に在り、私たちの全てを蝕んでいることを。
【第三話ログ】
【第三話途中キャラクターチャット:クリス、キルシー】
染み渡った毒は、やがて芽を吹き、地表へと現れる。
芽吹いた毒は、大気に拡散し、風と共に広まっていく。
だから、誰しも毒に侵されながら日々を送っているのだ。
もし、花が毒の存在に気付いた時、花はどうすべきなのだろう。
毒を受け入れ、自身も毒となるか。
それとも、毒に抗い、それを払拭しようとするか。
――毒が形を成して現れた時、花々は選択を迫られる。
【1日目:キルシー、フロレンツィア】
【2日目(午前):ジーク、クリス、キルシー】
【2日目(午後):ジーク、オルハ、ロイ、イクスラーゼ】
【2日目(午後):クリス、ミーシャ】
【3日目(午前):ジーク、ルーベルリア】
【3日目(午前):クリス、オルハ】
【3日目(午前):クリス】
【3日目(午後):ジーク、フロレンツィア】
【3日目(午後):キルシー、オルハ】
【3日目(夕刻):クリス、マシュー】
風に乗った毒は、着実に花を侵していく。
侵された花は、ただ枯れ行くのを待つばかり。
しかし、花々は思案する。
大地を侵し、花を狂わす毒を浄化するには如何にすべきかを。
それは、遠い過去から続けられてきた花々の本能とも呼ぶべき記憶。
――そして花々が動き出し、歴史もまた動き出す。
歪み始めた現実は、日常を蝕んでいく。
当たり前の日常はいつの間にか終わりを告げ、
私たちの前には数多の毒が飛散し、行手を阻む。
花々はか細く、未だ頼りない。
けれど彼らは少しずつ根を張り、茎を伸ばし、蕾を付けようとする。
ならば私は何度でも祈りの水を捧げよう。
――彼らが毒を濯ぎ、いつか大輪の花を咲かせられるように。
放たれた一矢は、毒を濯ぎ、大地を浄化し始める。
それは静かに浸透し、ゆっくりと、傷んだ大地を癒していく。
訪れた束の間の休息、花々はかつての都で羽を休める。
しかし、その先で出遭うのは、予期もせぬもの。
太古の遺跡で花々が見える、悪意の水端。
――そして、悪意は加速し、毒は再び現れる。