【キャラクターチャット:キルシー、フローラ、オルハ】
【キャラクターチャット:ジーク、クリス、キルシー】
【キャラクターチャット:クリス、フローラ】
【キャラクターチャット:ジーク、フローラ、エドガール】
突如として平穏を砕いた事件から一ヶ月以上が過ぎ、
人々はその傷から着実に立ち直りつつあった。
人々の心を支えるのは、国の象徴である双子姫。
復旧、復興を精力的に支援する彼女たちの姿は民たちの大きな励みとなり、
国民たちはより一層彼女たちへの敬愛を深める。
そして、復興と同じくして彼女たちの生誕祭の準備も進められていた。
夏の盛り、色とりどりの花々が燦々と輝く太陽の下で咲き誇る頃、双子姫はこの世界に生を受けた。
今年は彼女たちの17回目の誕生日。
――さあ、一時他事はすべて忘れて、彼女たちの生誕を祝おう。
巡る星々、沈みゆく月、昇る太陽。
朝を告げる鐘が鳴り響き、人々の声が街を包み始める。
そんな喧騒の中、僕は目を覚まし、歩き出す。
今日もまた、仲間たちとの当たり前の日常を過ごすために。
覚醒めぬ現実が街を彩り、また同じ一日が始まる。
けれど、僕らは知っている。
――どれだけ願おうと、この穏やかな日々は、いつまでも続きはしないのだと。
【キャラクターチャット:ジーク、ロイ、イクスラーゼ】
【キャラクターチャット:クリス、オルハ】
撒かれた毒は浄化され、花々は活力を取り戻す。
しかし、僕らは感じ取っていた。
花々を狙う悪意が未だ多く存在していることを。
悪意から目を背ける者、手を伸ばす者。
そのどちらをも、悪意は歓迎する。
欺瞞に満ちた歴史を、白日の下に晒すべく。
――今、偽りの平和の裏で、黒き影が動き出す。
潜んでいた影は動き出し、その姿を現した。
そしてまた、影を追う者も動き出す。
黒き影を追う者。過去の罪を負う者。
その道が交わる時、新たな道が現れる。
その果てに見ゆるは、この国の歪み。
――見よ、人よ、この国はかくも醜く、美しい。
影を捉え、その尾を掴む。
その先で知るは進化の始原。
そして始原を語る、この地の監視者。
妄執と叡智の果てに、人は何を見たのか。
――花々は今、始まりへと向けて走り出す。
選んだ道の先に開かれた可能性。
黒き妄執が作りだした可能性。
それぞれが衝突し、新たな可能性が生まれ落ちる。
そしてまた、歴史は繰り返される。
けれど同時に、歴史は常に変化を続けている。
歪んだ世界でも、それは変わらない。
私は歩む。
――この一歩が、いつか無限の未来へと繋がることを祈って。
ようやく訪れるはずだった束の間の休息。
しかし、歴史はそれすらも許さず、次なる影が動き出す。
そして空には暗雲が立ち込め、この地に雨が降る。
雨は大地に染み渡り、人の心にもまた降り注ぐ。
この雨が齎すは、恵みか、それとも災いか。
――愛の国の歯車が、今、軋み始める。
空は泣き、その涙は大地に染み渡る。
濡れた大地は脆く崩れ去り、地の底より、昏き影が這い出る。
そして、涙はまた花々をも濡らす。
葉を伝い、茎を流れる雫は絶望と、そして希望の証。
希望とするか、絶望とするか。
すべては花々に委ねられている。
――さあ、始めよう。愛と花に満ちた舞台での、再演の歌劇を。
闇が街を包み、悪魔が空に号ぶ。
咆哮は幕開けの報せとなり、王都は血に彩られる舞台へと変わる。
幕を開けた惨劇は休む間もなく進んでいく。
すべての者を舞台に引き上げ、彼らの絶望の声を糧としながら。
もう間もなく、此度の楽劇も佳局へと至る。
何度でも、わたしは祈り、捧げよう。
――いつかこの闇が晴れ、明けの明星が再び空に輝けるように。
永きに渡り、連綿と紡がれてきた執念。
それが、今まさに愛を蝕み、法を侵そうとしている。
けれど、わたしは決して希望を捨てはしない。
この昏き闇の奥に在る一筋の光明が、いつか花開くことを信じているから。
花々よ、覚悟を心に、剣を手に取れ。
その先に広がる未来を、自分自身の手で掴みとるために。
――これが未だ眠るあなたに贈る、わたしからの最後の贈り物。