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「私には帝国を導く責務がある。その為ならば如何なる謗りも甘んじて受け入れよう」
ザルツ地方ではその名を知らぬ者は居ないルキスラ帝国の現皇帝です。
15歳にして皇帝位に就き、年齢に見合わぬ手腕を見せてルキスラ帝国を発展させてきた傑物です。
口調も物腰も穏やかですが、その政治姿勢は強気そのものであり、一部の政治家や外国からは敵視されています。
しかし、古代文明の遺物の回収の成果、特に魔動機文明時代の技術の復旧・復興が国民に与えた恩恵は大きく、国民からは基本的に厚い信頼を得ています。
「皇帝陛下と始祖神のお導きにより、帝国は必ずや栄華を極めることになるでしょう」
ルキスラ帝国の宰相で、ユリウス・クラウゼの腹心の部下です。宰相であると同時に始祖神の高司祭でもあります。
穏やかな微笑みを湛えた妙齢の女性であり、空いた時間には司祭として皇帝の許可の下城の一部を開放し、国民たちの相談に乗るといった事もしているようです。
その聖女のような振る舞いとは裏腹に、政治面では非常に現実的な発想を見せ、帝国を何よりも優先して考えています。
「…………」
皇帝ユリウスと宰相ベアトリスの近衛を務める黒き鎧と兜に身を包んだ騎士です。
此処5年程の間にいつの間にか〈蒼鷲騎士団〉の一員として迎えられていた凄腕の戦士ですが、彼の任は主にユリウスとベアトリスの護衛となっているようです。
騎士団の中で、彼が兜を脱いだ姿を見た者は居らず、それどころか日常何処で生活しているのかを見た者もいません。
言葉少なながらも、稀に口を開いた時の声が明らかに成人男性の低い声であることから、性別は男性だとされています。
「はっはっは! 若いというのはやはり大きな力だね」
ダーレスブルグの帝国大使館の責任者である駐在大使です。
堅苦しいイメージを与えやすい帝国人の中で異彩を放つ気さくな男性であり、帝国民の事を考えつつも公国民を蔑ろにすることはなく、公国民たちからの評判も上々です。
ただ、ダーレスブルグの開放問題に対しては「保守派」寄りの姿勢を保っており、「開放派」からはあまり良い目で見られていません。
《呪音事変》の際、暴走した〈ファランダレス〉から発された光に貫かれて死亡しましたが、それについては世間には公表されておらず、「ギルモア伯爵によって脅迫され、事件に加担していたが、最後に彼を裏切ろうとした為にその怒りを買って殺害された」とされています。
「“灰色の獅子”が三刃槍、受けてみるがいい」
ダーレスブルグの帝国大使館の駐在武官です。
20代後半程の容姿を持つ長身の男性で、その体格から歴戦の勇士であることは容易く連想できます。
事実、かつてリーゼン地方で名を馳せた冒険者であり、ザルツ地方に流れて来て、伴侶を見つけて共にルキスラで過ごす事を決め、その際に仕官し、正式に騎士号を賜りました。
所謂お堅い人物ではないものの、冷静に物事を見極める慧眼の持ち主である為、武官でありながらバッカスをサポートする立場にあり、バッカスからも信頼されています。
「私たちの生んだ技術が、人々の役に立つのなら幸いだ」
帝都ルキスラにあるマギテック協会の副会長です。
会長であるドルッケン・ガーデルがここ数年、ユリウスに重用され城に出向くことが多い為、現在実質的な会長の役目を果たしています。
魔動通信の技術の基礎の開発にも大きく貢献しており、彼の助力がなくば完成しなかった技術も多く存在すると言われています。
妻に似て奔放で面倒臭がりな息子と、優秀ながら何処か世間一般とズレた娘の今後が、今の彼の大きな悩みだそうです。