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「――さあ、選択の刻よ」
《黄昏》に携わる人々の前に時折姿を現す謎の少女です。まるで幽霊のように白く抜けるような肌と半透明の身体を持ちますが、髪だけは燃え盛るような赤色をしています。
何が目的であるのかは不明ですが、《A.A.A》では《黄昏》と何かしらの関連を持っているであろう彼女の情報が強く求められています。
「……私は別に、何も」
光ヶ峰学園と同じ区内に存在する公立北沢中学校に通う生徒です。常に伏し目がちな瞳の物静かな少女で、学校での休み時間の大半は一人で本を読んで過ごします。人との関わり合いを極端に避け、それが周囲の生徒たちの不興を買い、学校内では孤立してしまっているようです。その影響か彼女の顔や身体には傷が絶えず、いたるところに湿布や被覆材が貼られ、包帯が巻かれています。
洒落っ気がないわけではなく、容姿には恵まれていますが、彼女の今置かれた境遇がその表情を曇らせており、近寄り難い空気を醸し出しています。その背景には複雑な家庭事情もあるようで、教師たちも半ばお手上げ状態で、彼女の抱える問題は解決する兆しも見えません。
「さあ、今日のライブも一緒に盛り上げていこうね!」
かつて日本で人気を博した伝説のライブアイドルユニット《I=deal》のメンバーの一人です。10年前の《東京大破局》の少し前に大ブレイクし、ライブはいつも超満員で、一時は日本ではその名前は知らないとまで言われる程の人気を誇りました。東京大破局の際には、自らも罹災者であるにも関わらず、《I=deal》は復興支援のチャリティライブを頻繁に行い、大破局で心身ともに傷ついた人々の支えとなりました。
しかし、大破局に連なる事故で相方の緑野 静香を失ってしまいます。それでも瑠花はその遺志を継ぎ、ひとりで《I=deal》名義での活動を続け、多くの人々に元気を与え続けました。その活動は事件の6年後まで続きましたが、4年前に行われたライブを区切りに、瑠花はアイドル活動を休止してしまいました。
その後は彼女は芸能界を引退し、一般人として過ごしているとも、不慮の事故で亡くなったとも言われていますが、確かな事は世間に知られていません。
「はは、病院になんて世話にならないのが一番ですよ」
新宿総合病院に務める医師です。眼鏡を掛けた知的な容姿の男性ですが、性格は明るく朗らかで、病院の職員や患者からの評判は上々です。人間性のみならず、外科医としての腕も確かなものであり、果ては内科医としての知識も備えているために先輩医師たちからも一目置かれています。
ただし、お人好しな性格が原因で身元不明の外国人の急患を受け入れたり、不法な争いによって怪我をした相手であろうと病院へ招き入れてしまうため、病院の上層部からは快く思われないこともあります。本人は特にそれを気にした風もなく、医師としてあるべき姿を追求していることがさらに反感を買ってしまっており、同僚たちの頭を悩ませています。
「あの広大な宇宙には、想像もつかない希望があるんだろうな」
八雲楓の父である男性です。頭脳明晰な人物で、八雲財閥が代々続けていた宇宙開発事業に携わっていました。没前は次期会長として期待されていましたが、自身の夢を追い、宇宙飛行士としての道を選んだために会長となることはありませんでした。
《東京大破局》が起こる4年前、ある任務を帯びて宇宙へと旅立ちましたが、その任務先にて何らかの事故に遭って死亡したと推定されています。