時は必ず過ぎていく。
夜が明けて、朝が過ぎ、陽は満ちて、そして黄昏る。
誰が定めたのかも判らないこの仕組みは絶対で、何人もそれに抗うことは出来ない。
それでも私は抗い続ける。
無限に等しい時間を得るために、有限の時間を必死に創り出しながら。
それでも私は撒き続ける。
無限の可能性を得るために、生命の種を育みながら――
巡る星々、沈みゆく月、昇る太陽。
朝を告げる鐘が鳴り響き、人々の声が街を包み始める。
そんな喧騒の中、私は目を覚まし、歩き出す。
幾度と無く繰り返される当たり前の日常へと向かって。
目覚めた現実は街を彩り、また同じ一日が始まる。
――願わくば、この穏やかな日々が、いつまでも続きますように。
歯車は、少しぎこちなく、けれど順調に馴染んでいく。
新しい生活は新鮮で、驚きと発見に溢れている。
失ってしまった空白が蘇るように埋まっていく。
私は、そんな幸せな時間を望み続けている。
けれど、万物は流転する。
悠久に思えるこの時間も、少しずつ移り変わっていく。
――この世界が、此処に存在する限り。
【第二話ログ】:?