沈む太陽、昇らぬ月、消える星々。
長い長い冬の後に待つのは、緋色に染まる黄昏の空。
幾度と無く繰り返された一年。
その先に在ったのは、永久に続く黄昏の時代。
世界は歪み、踏み躙られ、間もなく悪夢に覆われる。
けれど、花々は持っている。尽きる事のない生命の焔を。
さあ、その焔を以て、立ち上がり――世界を、正せ。
沈む世界に抗うは、焔の如き意志を持つ花々。
黄昏に染まり行く空を背に、覚悟と共に足を踏み出した。
数多の苦難を乗り越えてもなお、花々の前に待つは試練。
立ちはだかるのは、現代に目覚めた古き人形。
彼の者は無垢なる心を持つ故に黄昏を望む。
――冷たき手を伸ばした先にあるのは、黄昏か、それとも明星か。