****目次 [#bad8fb15] #contentsx *技術 [#t19a2bcf] **魔動通信 [#z747fb1a] 今回のキャンペーンでは、フリーセッションのレギュレーションと比べて技術が多少進歩している環境として扱います。 とはいえ、基本的な生活に大きな変わりはありません。しかし、生活に密着したものの中で非常に大きな役割を果たしている技術があります。 それが魔動通信技術です。 ユリウス・クラウゼの主導によるアル・メナス期の遺跡の大量発掘により、元々魔動機術研究の総本山と言えるルキスラ帝国は、さらに水準の高い技術を得るに至りました。 諸外国から一番注目を浴びるのはやはりその飛行船の生産技術及び所有している飛行核の数ですが、国民たちが最も厚い恩恵を受けているのは飛行船ではなく、「魔動通信」でしょう。 魔動通信というのは、魔動機文明時代のマジックアイテム〈通話のピアス〉と魔動機術【テレグラフ】の応用によって造られた通信機による音声の送受信による通話技術です。 遺跡発掘の副産物として大量に出土したマギスフィアを加工し、それを組み込んだ小型の機械を「通信機」と呼びます。 通信機は、音声を認識すると「魔動波」と呼ばれる目に見えぬ波を発し、それが各地に建設された「中継塔」を経由して、任意の通信機の元へと魔動波を届け、受信先の通信機がそれを音声へと変換し、通話が成立します。 中継塔というのは、その名の通り遠距離に魔動波を届ける為の中継地点として建設された建物の事で、現在ではルキスラの主要都市のほとんどに設置されています。 魔動通信の特筆すべき点は通話のピアスのように時間制限が厳しくなく、テレグラフと違って専門的な技術を必要としない所にあります。 その上通信機は小さめのマギスフィアよりも安価であり、ルキスラの都市部に住まう人々は現在ではほぼ全員が通信機を所有しています。 唯一の欠点として中継塔がない土地では機能しない事ですが、中継塔は帝国によって各地に敷設されてきており、近々ダーレスブルグ公国の主要都市にも建設計画が持ち込まれる予定です。 ここまで語りましたが、現代社会における携帯電話といえばイメージは簡単に伝わるかと思います。 **自立可動式戦闘支援システム [#e71c6bca] PCたちに大きく関わる技術のひとつとして、〈自立可動式戦闘支援システム〉が挙げられます。 これも、魔動機文明時代の遺産によって生み出された技術で、その名の通り装備者の身体能力などを向上させ、その戦闘行動をサポートします。 その性能は凄まじく便利で、戦闘においては万能とも言える性能を誇りますが、その分値段も高く、何より数が少ないため、帝国、公国の一部の将校や名の知れた冒険者程度しか所持していません。 使用者はまず、登録を行います。 登録を行うと、システムが登録者の生体情報を記憶し、その後はその情報を元に認証およびサポートを行えるようになります。 システムの仕組みとしては練技を魔動機術でさらに強化するといったもので、起動することで装備者は身体に眠る潜在能力を引き出すことが可能になります。 普段使用していない能力を引き出すことになるため、その負荷は強く、上手く使いこなす為には相当な修練が必要です。 現在使用されているのは、〈自立可動式戦闘支援システム初期型〉、通称【アビス】と呼ばれます。 まだまだ開発初期の段階であり、これからの研究での機能向上や大量生産による価格低下が強く望まれています。 *主要な国・街 [#u7d33616] **“橋の国”ダーレスブルグ公国 [#we79e293] 今回のキャンペーンのPCたちが所属する国家であり、物語の中心となります。 基本的な設定はルールブックに準拠しますが、変更点もいくつかありますので、こちらも参照してください。以下はルールブックからの抜粋とキャンペーンオリジナル設定を加えたダーレスブルグ公国の紹介です。 後述のルキスラ帝国から北へ徒歩7日の距離にある、テラスティア大陸最北の都市国家です。 人口は約4万人で、アルフレート3世によって治められています。 北の大陸レーゼルドーンへと繋がる巨大で頑丈な橋を塞ぐように広がる城塞都市であり、北へ向かう冒険者の拠点となっています。 もともとは2大陸にまたがる大国でしたが、《大破局》の折に蛮族によって国土の大半を占めるレーゼルドーン大陸部分を奪われてしまいました。また、それ以上蛮族に侵略されないためにルキスラの力を借りたことをきっかけに、ルキスラに併呑されていた時期もありましたが、100年前に独立を果たし、現在に至ります。 現在、橋を封じていた門は開放されています。約20年前、国の安全が確保されるに連れて増えてきた人口を収める広い国土を得る為に開放されました。また、レーゼルドーンに眠る過去の遺産も魅力的で、橋が開放された後は多くの開拓者や冒険者が出入りし、活気づいたのは確かです。 けれども北にはまだまだ蛮族の脅威があるのは事実であり、橋の開放以来、積極的に北へ開拓に出ようという「開放派」と、あくまで門を閉ざして蛮族に備えるべきと唱える「保守派」に国家は分かれています。意見の合致は一向に見られていませんが、最近では「開放派」勢力が主流となってきており、民意もそちらに流れ始めています。 王城には国家の象徴とも言われている“守りの剣”ファランダレスが安置されています。 **“ザルツの要塞”ルキスラ帝国 [#x5842cc5] 今回のキャンペーンで重要な鍵を握る国家のひとつです。 こちらも基本的な情報はルールブックに準拠しています。ルキスラ帝国についてはルールブックⅠの292頁なども参考にしてください。 ここでは今回のキャンペーンにおいて重要になる要素、あるいはオリジナル設定について記述します。 皇帝であるユリウス・クラウゼはダーレスブルグの北への征伐に協力的で、彼が皇帝位についてからはルキスラ帝国は積極的にダーレスブルグ公国に対して支援を行い、蛮族との戦いに大きく貢献しています。 その中でもユリウスの主導によって行われたルキスラ・ダーレスブルグ共同でのレーゼルドーン侵攻作戦《蒼き北伐》では目覚しい成果があげられており、ダーレスブルグの「開放派」が勢い付いた大きな要因にもなっています。 しかし、その代償も大きく、勢いに乗じてヴァルクレア城方面へと向けて進行した部隊の行方の詳細は一切知らされておらず、歴史の影に葬られている事などの問題を重く見る者も少なからず存在します。 また、ユリウスはダーレスブルグ公王の姪にあたる“姫将軍”マグダレーナ・イエイツとの交友を重要視しており、2国間の会談を積極的に開催し、その席には必ずマグダレーナを招待しています。 そのような事情から、両国内ではユリウスとマグダレーナの政略結婚の噂がまことしやかに囁かれています。 **“開放の狼煙”インミスティ [#ce25bd7a] カシュカーンと霧の街の丁度中間地点あたりに築かれた街です。 魔動機文明時代の都市の廃墟を改修して急速に発展を遂げ、現在のレーゼルドーン奪還の拠点となっています。 この街は蛮族の領域であった地域を《蒼き北伐》によって解放し、人族の新たな拠点として拓くことで成立しました。 人口は1500人程で、カシュカーンから流入してきた開拓者や冒険者たちが多く存在しています。成立から間もないに関わらず、冒険者の店も複数存在しており、また街の住民たちも蛮族からの独立に歓喜し、精力的に生産活動に取り組んでいる為人口からは想像も出来ない程の活気に溢れています。 しかし、当然周囲は蛮族の領域。シェス湖にも近く、暗闇の森などの脅威もあり、不安の種が尽きる事はありません。 守りの剣はひとつですが、人族の勢いを示威するかのように街の中央に備えられており、常に厳重な警備体制が敷かれています。街の住民たちの中には、まるで神殿に礼拝に行くかのように街の中央広場を訪れ、守りの剣を拝んでいく者も存在します。 その守りの剣をはじめとして、現在ではインミスティは霧の街開放に向けたシンボルとなり、ダーレスブルグ国民や軍の士気に大きく貢献しています。 その街を成立させる切欠となった《蒼き北伐》は蛮族から解放された人々を始め、ダーレスブルグの「開放派」から高く評価され、ユリウス・クラウゼへの信頼に繋がっています。これだけの功績がある為に、「保守派」としてもいくつかの問題を認識していながらも強く批判することは出来ず、《蒼き北伐》以降ダーレスブルグでは「開放派」がその勢いを増してきています。 **その他ルールブックで確認しておいて欲しい地域 [#t0d08db5] 「“拓かれた街”カシュカーン(ルールブックⅡ、173頁)」 「“朽ちたる都”ハーゼ(同上、174頁)」 「霧の街(同上、同頁)」 「竜槍山脈(同上、176頁)」 「ヴァルクレア城(同上、同頁)」 「シェス湖畔(同上、177頁)」